可愛いけれど ちょっと曲者!

気がつくと、道端や花壇に見かけることの多い、オレンジ色の風に揺れる花。ナガミヒナゲシという、外来種の草花です。日本では、1969年に世田谷で最初に、発見されました。本来はその地域に生息・生育していなかったものが、人間の活動によって持ち込まれたものを外来生物と呼びます。渡り鳥、海流にのって移動してくる魚や植物の種などは、自然の力で移動するものなので外来種には当たりません。外来種の中では、セイヨウタンポポやセイタカアワダチソウが有名です。その他、牧草として外国からやってきた、シロツメクサ、金魚の水草でおなじみのホテイアオイや、アメリカザリガニなども外国起源の生物です。このナガミヒナゲシ、繁殖力が強く、生態系を破壊してしまう恐れがあるそうです。抜き取りや刈り取りなどの防除方法が推奨されています。かぶれる恐れもあるので、ご注意を!

一方、日本から海外に1876年のフィラデルフィア独立百年博覧会に、日本が出展した際に会場装飾として使用するため、アメリカに初めてクズが持ち込まれました。クズはマメ科クズ属のつる性植物です。東屋やポーチなどの装飾として人気になりました。また、家畜の飼料として、さらに緑化・土壌流失防止用として政府によって推奨され、20世紀前半は持てはやされました。かし、その後のアメリカでの畜産の業態変化から利用されなくなり、繁茂力の高さや拡散の早さから、有害植物ならびに侵略的外来種として指定され、駆除が続けられています。なんと、「グリーンモンスター」というありがたくない名前を付けられています。クズが巻き付き、他の木は、光合成が出来なくなり、蒸れて病気を引き起こします。九州より少し狭いくらいの面積をクズが覆いつくし、グリーンデザート(緑の砂漠)と呼ばれているそうです。ところ変わればということで、日本ではどこにでもいる鯉や、ワカメなどもアメリカでは、侵略的な外来種と捉えられているとか。ワカメは、日本と朝鮮半島では食べますが、他の地域ではほとんど食用にせず、一方的に増殖するので単なる害藻として扱われています。欧米などでは「海の雑草」と、こちらもありがたくない名前で呼ばれています。

ここで外来種被害予防三原則をお伝えします。

  1.  入れない ~悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。
  2.  捨てない ~飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。
  3.  拡げない ~既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)。

地域内を巡回してみると、多くのナガミヒナゲシを見かけました。法人格 砧町自治会で清掃活動を担当している、砧六丁目公園、砧八丁目児童遊園も、チェックいたしました。引き続きこまめに環境厚生部主導で、対応してまいります。この花びらの色が、自治会カラーのきれいなオレンジ色!除去作業は、ちょっと複雑な感情が湧いてきます。長い目で見れば、猫も馬も外来種。ただ除去するだけではなく、自然との共生も考えなくては、と思いました。(環境厚生部 部長A)