本所防災館に行ってきました。
成城防火防災協会の会員である、法人格 砧町自治会理事2名が、成城防火防災協会主催の「施設研修会」に参加してきました。10月31日(木)9時に成城消防署をバスで出発しました。行先は本所防災館(墨田区横川4-6-6)。車中で、1923年9月1日のあの日、あの時、幼子2人を連れ、必死に逃げ命をつないだ松本ノブさんが何を見て、どのように行動したのをまとめたDVDを見ました。避難するノブさんの判断には、突然襲ってくる大災害に対して命を守るためにどう行動すればよいか、現代にも通じるヒントが隠されています。一女性が、幼子を抱えて、どのようにあの大災害を生き延びたのか、彼女の手記をもとに構成された映像です。今まで見て来た災害に関する映像のうちで、一番心に残りました。これは、yutubuでもご覧になることが出来ますので、絶対にお勧めです。
防災に関する体験や学習ができる施設は、東京の立川、池袋、本所にあります。東京消防庁により開設された防災体験学習施設。入館料は無料ですので、是非ご家族で行ってみてください。当日は、地震大国日本に来た外国の方も、熱心に見学されていました。防災シアターで、災害時の行動を大画面で視聴したのち、暴風雨体験をいたしました。濡れる可能性があるということで、タオル、靴下の替えを事前準備で臨みました。台風のような強い風と雨が吹き付け、自然の猛威には、為すすべがない無力感を感じました。
地震体験で、大きな揺れを実感しました。体験と分かっているので、多少の心構えはあるものの、実際震度7の体験は、ダンゴムシポーズをとっても、身体ごと何処かにもって行かれそうで、底知れぬ恐怖を感じました。都市型水害体験では、ひざ下くらいの水でも、水圧で、車のドアや建物のドアが開かなくなる体験をしました。力自慢の男性でも、開けることが難しい状況に陥ります。事前の避難がいかに大事か、実感しました。煙体験は、地域の防災訓練で、何度か体験しているものの、大きな建物を想定したここの施設では、脱出するまでの時間がかかり、煙や暗闇の恐怖感は、計り知れないものとなりました。身を低くして、口元にタオルなどをあてがい、煙を吸い込まないように、誘導灯を頼りに素早く出口を探すようにします。
施設内には、体験コーナーと自由見学コーナーがあります。そしてガイド付きの、防災体験ツアーがあります。今回は「自然災害コース」で、地震体験、煙体験、水害体験、暴風雨体験など、臨場感あふれる体験をしました。ご家族で お友だちと おひとりさまでもお気軽にどうぞ行ってみてください。擬災害の体験通じて防災知識、行動力を高めることができます。
本所防災館を後にして、東京都立横網町公園に向かいました。この公園は「被服廠跡」(軍服などを作る工場) 「東京都慰霊堂」 「震災記念堂」などとも呼ばれているいる場所です。東京都慰霊堂は、大正12年(1923年)9月1日に発生した、関東大震災による遭難者(約58,000人)の御遺骨を納めるための霊堂として、東京市内(現在の23区の中心部)で最も被害の大きかった被服廠跡に、震災7年後の昭和5年(1930年)に完成しました。東京都復興記念館(〒130-0015東京都墨田区横網2丁目3番25号)を含めて、都立横網町公園は慰霊と伝承の公園です。毎年、3月10日と9月1日には、慰霊大法要が行われています。慰霊堂内には、震災の状況を描いた大型絵画、戦時中の写真などを展示しています。また、復興記念館には、当時の状況を伝える絵画、写真、図表、震災の記念遺品などが展示されています。
今は、静かに秋の青空と、紅葉し始めた樹々が穏やかな姿を見せる魅力的な公園です。防災館と震災戦災の記念施設を訪れて、人間の力の及ばないこともあると、思いました。しかし、出来る備えは十分にしなければなりません。復興記念館のパンフレットに、「ゆるむ心のねぢをまけ」とあります。これは大正13年の、 大震災記念日の標語だそうです。現代の私たちも、備えは十分に、心のネジをしっかりと巻きましょう。(防火防災部 K)