大人の自由研究 「砧」②

砧には、横槌と縦槌があるようです。また、砧を衣板(きぬいた)と読んで、振り下ろす槌ではなく、それを受ける台のことを指すとされている文章もあります。確かに石編ですので、そのためかとも思います。また、「衣板で叩いて」と書いてあるものもあり、やはり叩く槌のことかなとも推察されます。しかし、土台の板、もしくは石の台の名称だとすると、これまで使われてきた、小学校の紋章や、地域の情報誌のイラストはどうなのでしょうか?やはり、叩く道具の形をしているようです。

叩く物の方を砧と呼ぶならば、一本で使うものと、二本セットで打つものがあります。そして、一本で打つものでも、板橋区立郷土資料館(板橋区赤塚5-35-25)に展示されているものは、「手槌」と表記されていました。この形状の物の中には、藁叩き棒も含まれています。地域内で砧として展示されているものは、どの面で叩くのかが、ちょっと不明です。また、女性が夜なべ仕事で叩き、その音が響き渡っていたとされていますが、女性が叩くには、かなり重さがありそうでした。

板橋区立郷土資料館で見た「砧?」は、よく使いこまれていて、この面で叩いていたであろうと推察できます。表記は「手槌」となっていました。

今でもアマゾンでは、こうした形状のものが、木槌・横槌・わら叩き棒・藁打ち木槌として販売されています。また、野球で使うグローブを形よく仕上げる道具なのでしょうか、MIZUNOのグラブ仕上げ槌などというものも、ありました。

小田急線祖師ヶ谷大蔵の商店街にある「やまと家}さんの、砧もちです。一本で打つ砧を模しています。やさしい甘さのあんこが入っています。このほか砧には、「砧煎餅」を販売していたお店もありました。砧そのものや、町名の謂れなど、調べてみると楽しい発見があります。「熱心な素人は、玄人にも勝る!」と言い聞かせて、これからも「きぬた」を深掘りしてみたいと思います。(広報部 部長K)